溝入敬三コントラバス劇場

『半年後のトロンボーン』

 失意のトロンボーンは、近所の神社のお百度参り、四国八十八ヶ所お遍路さん、比叡山に延暦寺、目白カテドラル教会に銀座中央教会と、宗派も考えず、もう一度女神にお願いしようと走り回りました。女神は、あまりのうるささに耐えかね、どうしても分解掃除をする時は、一人でお風呂の中ですること、との条件をつけて、再度若者に変えてやりました。
 若者は、今度は注意深く暮らします。さていざベッドへ入りますと、元トロンボーンだけに、抜き差しに長けておりまして・・・(この部分は、まっちゃん@シリウスさんとウルドさんのご意見採用)・・・(点々は時間の経過を表し、詳細を省略する)・・・(女神も、ツバを飲み込みながら覗いてしまいました)・・・そして二人は、ぐっすりと眠ってしまいました。
 そうしましたら彼は、窓ガラスも割れよと凄まじい音量で鼾をかいたのです。(この部分、ジーザス鳥羽さんの意見採用)象の遠吠えと、消防車の群れでございます。やれやれ。女神は、やはりそうか、と、ため息をつこうとしたその時、隣で寝ていた彼女も寝ぼけたまま、その音にインスパイヤーされて、オペラアリアを歌い始めたのでした。ヴェルディでございましたか?深夜の町内会は、みんな起きだしてしまいました。彼女は、ソプラノ歌手だったのです。
 女神は、くすっと笑って、似た者同士だから、ま、良いか、と思いました。

(「音のイソップ番外編」)
[PR]
by Keizo-MIZOIRI | 2007-11-15 11:17 | 物語
<< 薪ストーブ 『女神とトロンボーン』 >>



コントラバス、音楽、その周辺のことなど