溝入敬三コントラバス劇場

瀬戸内スタイル

〜前回より続く〜

 連絡船は、波のない静かな海をダンダンダンと、のんびり走ります。左手には向島、岩子島。あっちの島こっちの島と立ち寄って、一人降ろし一人乗せ。岩場では釣り人も見えます。こんな所に住んで毎日海を見ながら暮らすのも良いなあ。
 40分程で瀬戸田港に到着。(橋ができるまでは、このまま乗っていれば愛媛県新居浜まで二時間半で行けたのですが、現在はここが終点。先に行くには乗り換えなくてはなりません。)瀬戸田は耕三寺の門前町として有名です。規模は小さいですが、西の日光と呼ばれる、ギンギンギラギラ極彩色のジャパニーズバロック?様式の寺です。
 参道には落ち着いた土産物屋が並びますが、メインは柑橘類の山。ここはミカンの郷でもありまして、二三百円で山盛りの健康なレモン、夏みかん。どれも美味しそうなのですが、これは持ち歩くには重い。送ってくれるのですが、せっかくの安さなのに、宅配便代のほうが高く付くのはもったいない。今度車で来た時にでもしましょうかね。今回は、これも近所で作られているミカンの花の蜂蜜を買いました。柔らかな匂いと味です。おまけに特大レモンをもらいまいた。魚料理の店も多いです。回りは全部海ですから。のんびりと食事して旅館に一泊というのもありかな。素敵な建物の、地元ゆかりの平山郁夫美術館もあるのですが、私はこの方の絵があまり得意でないので、申し訳なく思いながらもパス。
 さてしっかりぶらぶらしてから、目当てのベルカントホールへまいりますと、長蛇の列でびっくり。こんな小さな島にこんなに人が住んでるのかねという感じ。世界的合唱団であるロンドンのタリス・スコラーズ(ピーター・フィリップス指揮)のイタリアルネッサンス音楽を、瀬戸内海の小さな島で聞くのですから、こいつああ面妖なことでございます。演奏は落ち着いた美しい響きで、複雑な対位法も完璧。ただ、言葉がまるっきり分かりませんし、教会音楽ですから、音響的に見れば、大量の繰り返しですから、その点ではちょっときついかな。でも良い物を聞けて、リッチな気分を満喫し嬉しかったです。
 また参道をぶらぶらしていたら、肉屋でコロッケを売っていたので立ち食い。これはシンプルに美味しい。
 帰り船は、尾道の隣の松永から、天気も良いしとベルカントへ聴きにいらしていたおばあちゃん達と一緒に、昔は、この辺りの島は、除虫菊が咲いとってなあ、えりゃあきれえじゃった、あんた東村の出身ね?私ら今津よ、とか話しながら、ゆらゆら。こんなコンサートが瀬戸内スタイル。
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by keizo-mizoiri | 2009-06-21 13:09 | 音楽
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